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富山弁で「ありがとう」の意味は?下ネタにも聞こえる富山弁5選
大山奏K.Ohyama
1:富山弁はかわいい!
ビックリしたときや怒ったときなどに、つい出てしまう方言。そんな方言にかわいさを覚えることも多いですよね。今回はそんな方言の中でも、富山弁に着目してみましょう。
「ソニー生命保険株式会社」が2018年に、20~59歳の男女4,700人に対して、出身県の方言はかわいいと思うかどうかを聞いたアンケートを実施しました。その結果、富山は北海道、大阪と並んで第7位にランクイン。
ただし、同調査で「他県の人と話すときは出身県の方言を出さないように気を付けている」というランキングでは、富山は第2位でした。
富山弁はかわいいと思いつつ、話すのはちょっと恥ずかしいと感じているのかもしれませんね。
2:「ありがとう」の意味が独特!? 富山弁変換5つ
ではさっそく、かわいい富山弁を紹介していきましょう。
(1)気の毒=ありがとう
普通「気の毒」と言われれば、人の苦労や不運に対して同情する意味や、「すみません」「申し訳ない」の意味で使いますよね。
しかし、富山弁ではそれが一歩進んで「ありがとう」を表すようになりました。「あら~、気の毒だなぁ」と富山の人が言った場合、感謝の意味を示しているので間違えないようにしましょう。
(2)なーん=否定
富山の人が多用する「なーん」は、「いいえ」「いやいや」「そうではない」という否定を表します。また「なーんですが」は「とんでもない」という意味になります。
(3)うまそい=見事な、立派な
富山弁で「なんちゅう うまそい ねねまかいね」と言ったら、「何とまぁ立派な赤ちゃんですね」という意味になります。「うまそう」と聞くと、「おいしそう」という意味かなと思ってしまいますが、赤ちゃんを食べてしまうのは怖い話。
でも、富山ではまるまるとした立派な赤ちゃんはおいしそうに見えちゃうのかもしれません。
(4)ひどい=すばらしい
普通の会話で、「○○くんってひどい人だから~」なんて聞いたら、恋愛なら「二股かけたのかな?」とか「暴力でも振るうのかな?」なんて怖い想像をしてしまいますが、富山弁ではまったく逆の意味になります。
ひどいは、「素晴らしい。たいした。すごい」の意味。なので、「ひどい人」は「すごく素晴らしい人」となるんです。
(5)いとし(愛し)=かわいそう
「愛しい」と聞くと、愛情表現のように感じますが、富山弁では「いとし」は「かわいそう。気の毒」という意味で使います。「あれぇ いとしげに ねぇ」と言えば、「あら お気の毒にねぇ」となります。
富山の人に「いとしげな彼女」と言うと、「かわいそうな彼女」と思われてしまうかも……。富山出身の彼に弱音を吐いたら「いとしな~」と言われるかもしれませんが、それはあなたの弱さを見て惚れ直したという意味ではなく、単純に憐んでいるだけかも。ぬか喜びは禁物です。
3:下ネタじゃないから!ちょっとエッチな富山弁5つ
富山にはちょっとエッチに聞こえる方言がたくさんあります。いくつかご紹介します。
(1)だいてやる
富山の人と食事に行って、そろそろお会計かなというときに、「じゃあ、今日はだいてやるけ」なんて言われたら、思考停止してしまいそうですよね。食事のあとにはホテルにでも連れ込まれそうですが、これは「おごってやる」という意味なんです。
(2)こかん
富山弁で「こかん」といったら、大事な部分のことではなく、「放く(こく)=物を言うの卑語」の否定形です。こくという言葉自体、あまり上品な言い方ではないようですが、下ネタではありません。
「道でおうても あへん ども こかん」というと「道で出会っても挨拶ひとつしない」という意味になります。
(3)ちんとする
「ちんとする」は富山弁では「じっとする」「大人しくしている」という意味で、はしゃぎながら走り回る子どもを嗜める場合に「ちんとして」などと、使われることが多い言葉です。
また「おちんちん」は富山の幼児語では正座のこと。でも、「おちんちんして」なんてお母さんに言われたら、思わず赤面してしまいそうですよね。
(4)ちんちんぼんぼ
この言葉、いったい何を表しているのか想像できますか? きっとみなさん、子どものころお父さんにねだって一度は経験したことがあるはずの、アレです。
そう、肩車のことです。別にアソコをどうにかしてほしいと言っているわけではないんですよ。
(5)チンカン
小さいころだけでなく、大人になってからも比較的することが多い「じゃんけん」。これを富山弁では「チンカン」と言います。でも、「チンカンして決めよう」とか言われたら、一体何を始めようというのか、身構えてしまいそうです。
4:富山の人が人前で言わない理由は……
最初にアンケート結果で、多くの富山の人が他県の人の前で方言を使わないようにしていると紹介しましたが、もしかすると、下ネタに聞こえそうな方言が多いからなのかもしれませんね。
方言と思わずうっかり使ってしまったら、穴に入りたくなるくらい恥ずかしい思いをしちゃうのかもしれません。
【参考】