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知っておきたい!結婚していない恋愛関係でも慰謝料が発生するケース【後編】
星 花H.Hoshi
まだ結婚していない恋愛関係でも、慰謝料が発生するかもしれない恋愛トラブルについて、アディーレ法律事務所パートナー弁護士の篠田恵里香さんに伺っています。前編に続き、さらに3つのケースを、チェックしてみたいと思います。
■ 喧嘩がエスカレートして怪我をさせられた(暴力・傷害)
「夫婦間であっても、恋人同士であっても、暴力は犯罪です。刑事上の犯罪として、暴行罪や傷害罪が成立します。これによって被った精神的苦痛については、当然慰謝料の請求ができます。場合によっては、病院の治療費や会社を休んだ場合の休業損害なども請求することができます」
DV被害は、最悪の場合命の危険もともなうことがあります。泣き寝入りしたことによって、次の被害者が出さないためにも、法律に従ってきちんと処罰してもらう必要がありそうですね。
■ 結婚していないふりをして肉体関係を持った
「独身だ、妻とはもう離婚した、という言葉を信じて、交際を続けていたら、ある日、彼が妻子と一緒にいる姿を見てびっくり! 問い詰めたら“実は妻子が……”と白状したけど、こんなの許せない! というケース。意外に多いようです。
このケース、実は、女性が性的な自由を奪われた=女性の貞操を侵害したとして、慰謝料請求ができることになります。ただ、詐欺で訴えることができるかというと、これはNO! 法律上の詐欺罪は“財産を騙し取る”ことに限られているので、貞操を侵害されたことは詐欺罪には当たりません。悔しいので、慰謝料をがっぽり請求しましょう」
こちらも、芸能ゴシップなどでたまに耳にすることがあるケースですね。「妻とはうまくいってないんだ」のような曖昧な申告の場合は、女性側のも問題がありそうですが、はっきり「独身だ」といった場合は、悪質なので、訴えることもできそうです。
■ 嫌がる相手と無理やりセックスをした
「“恋人同士なんだからいいだろ”と言って、嫌がる相手を押し倒し、暴力や脅迫などによって無理やりセックスをすれば、これは当然強姦罪になります。“つきあっている”といっても、“セックスに対する真の同意”がない以上、強姦罪が成立します。なかなか体を許してくれないから……といって、泥酔させて襲うケースも“準強姦罪(某大学のスポーツ部のコーチが捕まりましたね)”という犯罪が成立します。当然、強姦された側からは、慰謝料の請求ができることになります」
こちらも、DVと同じように、次の被害者を出さないためにも、専門家に相談の上しっかり対応したほうが良さそうですね。
いかがでしたか? 婚姻関係が無い場合は、法律は守ってくれない?という先入観がありましたが、意外に、恋人同士の恋愛トラブルでも、慰謝料が取れるケースも多いようです。
今回は、女性側が訴えるケースについて伺いましたが、“慰謝料がとれる”ということは“慰謝料がとられる”場合もあるということなので、女性側も、たとえ自由恋愛とはいえ、あまりいいかげんな態度をとらないように、気を引きしめたほうが良さそうですね。
【取材協力】
※ 篠田恵里香・・・弁護士法人アディーレ法律事務所 パートナー弁護士(東京弁護士会所属)。男女トラブル、交通事故問題などを得意分野として多く扱う。また、離婚等に関する豊富な知識を持つことを証明する 夫婦カウンセラー(JADP認定)の資格も保有している。外資系ホテル勤務を経て、新司法試験に合格した経験から、独自に考案した勉強法をまとめた『ふつうのOLだった私が2年で弁護士になれた夢がかなう勉強法』(あさ出版)が発売中。公式ブログ『弁護士篠田恵里香の弁護道』も更新中。
【参考】