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これもアウト!? 注意すべき「女性から男性へのDV」パターン4つ【前編】

星 花

星 花H.Hoshi

最近、女性から男性に対するDV(ドメスティック・バイオレンス)のニュースを目にすることが多くなったと思いませんか? 数が増えているのか、昔からあった問題が表面化しただけなのかはわかりませんが、もしかしたら女性陣が“ただのケンカ”だと思っている言動も、DVとみなされるようになったのかもしれませんね。

今回は、アディーレ法律事務所所属の全国最年少シングルマザー弁護士・島田さくらさんに、DVだと思われかねない女性の言動について伺ってみました。

「DVの被害者の多くは妻である女性ですが、男性が被害者となるDVも以前から存在します。

夫から妻に対するDVの場合には、身体的暴力(殴る、蹴る等)、精神的暴力(暴言、無視等)、性的暴力(性行為の強制、避妊に協力しない等)、経済的暴力(生活費を渡さない、妻が働きに出ることを禁止する等)、社会的隔離(人間関係の極端な制限等)が挙げられます。

妻から夫に対するDVの場合、性的暴力や経済的暴力はあまり見受けられません。では、妻からのDVのほうが軽いのかというとそうではありません。夫は、妻から精神的・肉体的暴力を受けても、情けないと思われたくなくて、あるいは馬鹿にされるのが嫌で、なかなか周囲に相談することができず、ひとりで思い悩むうちに事態が深刻化してしまうという現状があります」

と島田さん。具体的には、どのようなケースがあるのでしょうか?

 

■1:仕事や収入を馬鹿にする

「“これだけしか稼げないのか!”、“もっと働いて稼いできなさいよ!”、“○○さんの旦那さんはもっと稼いでいるわよ”、“甲斐性なし!”等々、夫の収入が低いことを責めて、暴言を吐いていませんか?

夫だって、収入を上げられるものなら上げたいと思っているはずです。給料の金額は、仕事の能力値以上に数字として客観的にわかる繊細なもの。夫のプライドに関わる部分ですので、そこをむやみに責め立てるのはやめましょう」

なるほど、意図的に相手のプライドを傷つける言葉は、たとえ身体的に傷ついていなくても、DVとみなされてしまいそうですね。

 

■2:眠る時間を与えない

「家庭生活を維持するためには、夫婦間で話し合いをする時間を持ったり、自分の気持ちを伝えることも必要ですよね。仕事でなかなか時間がとれないため、少しばかり睡眠時間を削って夜に話をすることもあるでしょう。

ただ、明日も仕事があるのに、毎晩夫を責め立てて寝かせず、精神的・肉体的に追い詰めるような事態になれば、DVと言われる可能性が出てきます」

たしかに、自分の気持ちばかり押し付けて、相手の体調や精神状態に気を配らない行動をとってしまうと、暴力以上にパートナーに心身を消耗させてしまうこともありそうですね。

妻の側も、一日中家にいて話し相手が欲しいというケースもあるかもしれませんが、まずはパートナーの立場に立って、心身の健康を最優先する気配りは、最低限必要ですね。

 

いかがでしたか? 実際に手を出すことがなくとも、ジワジワとパートナーを消耗させる軽いジャブのような言動だけで、十分にDVとみなされる可能性があるのですね。思い当たるフシのある方は、気をつけたほうが良さそうです!

 

【取材協力】

島田さくら・・・ 弁護士法人アディーレ法律事務所 所属弁護士(東京弁護士会所属)。自身の過去のオトコ運の無さからくる経験(元カレからのDVや、妊娠が発覚した翌日に カレから別れを告げられたこと)をもとに悩める女性の強い味方として男女トラブル、さらには労働問題などを得意分野として多く扱う。また、離婚等に関する 豊富な知識を持つことを証明する夫婦カウンセラー(JADP認定)の資格も保有している。シングルマザー弁護士として、相談者の悩みを解決するかたわら、 家庭では子育てに奮闘している。

 

【参考】

『弁護士が教えるパーフェクト離婚ガイド』(アディーレ法律事務所)

アディーレ法律事務所